#読書 孫社長にたたきこまれた すごい数値化仕事術

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読書ログ

2021年になり、少しずつ記事を書いていこうと思います。

毎日継続しないと意味はないでしょうし、時間を決めてアウトプットする習慣を作ります。

ソフトバンクグループの孫社長の下で、プロジェクトマネージャー経験のある著者が書いている本です。妻が所属していた科の「教育図書」として取り上げられていたということで、読んでみました。

プライマリ・ケア、総合診療の分野でも、自分は研究に関心があります。

また、研究でなくても、マネージメントでも「物事を可視化して考える」というプロセスはとても重要になってきます。

可視化して、言語化しなければ、「自分が今何をやっているのか」、「どこにいるのか」、「これからどこに向かうべきか」が何もわかりません。

それは医師の診療も、研究も、マネジメントも、全てに通ずることだと思います。

 

さて、著者がこの本の中で言っていることはとてもシンプルです。

「数値化することで、次の目標が見えてくる。その上でPDCAを回す」というものです。

しかし、「どのように数値化するのか?」「数値化したものをどう扱うのか?」という点に関して、素人同然の人が多いと言うのが著者の論点です。

「数字が出なければ上司は動かない」ので、
「現場で問題に直面している若手社員こそ、数値化のテクニックを身につけるべきなのです」とあります。まさに医師の臨床研究た、現場のマネジメントに通じるところがありそうです。

 

要点を絞って、本の中で述べられていることの一部を記載しておきます。

ポイント1
数字は「与えられるもの」ではなく「自分で取りに行くもの」

自分にとって必要な数字は自分で作り上げに行くべき。
「受け身の数値化」ではなく、「攻めの数値化」が必要になるのです。

そしてその目的は、「現場の問題解決のためにあるもの」でなければなりません。

 

ポイント2
数値化の目的は、「どうだったか」ではなく「どうするか」

つまり、「未来=次のアクション」につながらない数値化は意味がないということです。

数値化は過去を振り返って満足するためでも、誰かを悪者にするためでもなく、未来を作るためのものである。そのことを、ぜひ肝に銘じておいてください。

 

ポイント3
数値化のファーストステップは「分ける」。数える前にまず分けろ!

分け方は種類別やジャンル別だけではありません。
「プロセスで分ける」のも、問題解決につながる有効な手段です。

「毎月の目標を達成できない」という最終結果だけを観て、「どうすればいいのか」と頭を悩ませている人がほとんどです。自分の仕事をプロセス員訳、結果が出るまでの家庭を数値化するという作業をする人は、かなり少ないでしょう。

 

ポイント4
問題の在り処が見えてきたら、更に細かく分けて計測してみる。

「どの数字を計測しようか」と迷っている暇があったら、とにかく手を動かしてみることが大事です。

どんなに大きな問題も、始点と終点の間を小さくブレイクダウンして計測すれば、ボトルネックが発見できるということです。

 

ポイント5
数値化のゴールは、現実の問題を「数式で表す」こと

要するに、現実の問題を「モデル化」するということ。

数式化できると、当てずっぽうではない予測値が出せるようになります。

 

ポイント6
数値化したら、あとは高速でPDCAを回し続ける

つまり、

P(計画):問題を数式で構造化し、それぞれの数字の関係を理解し、計画を立案する。
D(実行):計画を実行する。
C(検証):計画と実行の差異を分析し、何が問題なのかを優先順位をつけて把握する。
A(改善):改善策を実行する。

ソフトバンクでは、「D」が「P」より先に来たり、「P」と「D」をほぼ同時に進行することもよくあるそうです。
必ずしも順序が重要というわけではないのですね。

そしてソフトバンクでは、「早く失敗したほうが良い」と考えるそうです。

これ、個人的にめちゃくちゃ重要なことだと思いました。

実行した結果、得られる数値ほぼ正確なものはありません。計画段階で出す数値はあくまで「予測値」ですが、実行すれば「実測値」が手に入ります。これこそ、計画段階で机上のデータをこねくり回していただけでは、決して得られない貴重な宝物です。

ソフトバンクでは、このPDCAサイクルは「その日のうちに」サイクルを回すことすらもあるそうです。

 

ポイント7
問題解決後も数字でチェックを続け、環境変化にいち早く気づく

ビジネス環境は刻々と変化するので、数値を出したあとも、その変化を追っていき、変化に気づくことが重要というわけですね。

 

現代のビジネスに於いて最も重要な「5つの数字」

会社経営は、次の5つの数字でシンプルに構造化できるそうです。

  • 顧客数
  • 顧客単価
  • 残存期間(顧客でいてくれる期間)
  • 顧客獲得コスト
  • 顧客維持コスト

だそうです。

 

よって、会社の利益を最大化するためには、数値を以下のようにコントロールします。

  • 「顧客数」「顧客単価」→上げる
  • 「残存期間」→長くする
  • 「顧客獲得コスト」「顧客維持コスト」→下げる

そして、その中でも特に「残存期間」を意識することが重要となっているそうです。

それは「ライフタイムバリュー(LTV)」と呼ばれ、「一人の顧客が一生のうちにもたらしてくれる価値や利益」のことです。

 

医療の場合、診療報酬により、「顧客単価」は変化させにくいですよね。
なので、開業医の場合、「顧客数」や「残存期間」に目が向いやすいのでしょう。

 

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